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褒め方によって学力が変わる? - 実証研究データが示す教育事象の知見 -

 

 

タブレット端末で学習したら学力は上がるのか?

 

担任一人につき生徒は少数の方が学習効果は高いのか?

 

結果よりもプロセスを褒めた方が学力は上がるのか?

 

 

 

様々な教育事象に対して、様々な見解がありますが、

 

実は、日本においては量的に科学的に分析調査したデータはほとんどありません。

 

 

 

 「『学力』の経済学」

  

教育経済学者の中室牧子氏の著書「『学力』の経済学」には、様々な教育事象をエビデンスベーストな視点で分析した結果や知見が記載されています。

 

 

 

 

例えば、生徒をどのように褒めたら成績が上がるのか?

 

「結果さえ褒めればいい」「あめとむちが大切だ」など、

 

日本では良くも悪くも生徒の直に見た感覚、質的な分析のみによって解釈されてきました。

 

 

上の中室氏の著書には、「ほめ方」がどのように成績推移に関係するかを分析する実験が掲載されています。

 

学生集団をA,Bの2グループに分け、

Aグループは能力、偏差値などの結果指標を褒め、

Bグループは努力などのプロセスを褒めて

試験の点数結果の推移を調査しました。

 

 

デザインだけ再編集して以下のようにまとめました。

f:id:rabe0703:20181017135232j:image 

 

その結果、Aグループは点数が落ち、Bグループは上昇したのです。

努力のプロセスを褒めることに効果があると実証されたのです。

 

この結果だけを見れば、現場指導をしてきた方なら「なんとなく」は実感が掴めると思います。

 

しかし、「偏差値などの結果や能力を褒めて伸びる子もいるしなぁ」と思う方もいると思います。

 

実際に、指導の上手い方は結果や能力も褒めながら、努力のプロセスも褒めている人が多いと思います。

 

伸ばしたい学力の定義や、指導に携われる期間などの制約もあるでしょう。

 

色々な条件下の中で最適なものをデザインする力が求められます。

 

なぜなら、量的・科学的な実証データは、事象の一側面に過ぎないからです。

 

しかし、その結果は一側面ではありますが現実をそのまま映し出した、信頼性を統計学が担保したデータであり、議論を先に進ませる威力を持っています。

 

 

 

タブレット端末で学習したら学力は上がるのか?

 

タイトルの

タブレット端末で学習したら学力は上がるのか?」

に対する答えですが、

 

・日本における科学的な検証は十分になされていない

・「学力」の定義が統一された実験資料が揃わない

 

ため、よく分からないというのが現状です。

 

タブレット端末が学校現場に多く導入されてきていますが、

国も十分な実証データを提示はしていません。

 

故に、

一台5万円のタブレットか300円の紙教材か

先生を何人雇うのか

奨学金はいくら出すのか

 

などの費用対効果を考慮した教育施策に関する議論が進まないのです。

 

まずは、教育事象に関するエビデンスデータを積み重ねることが求められます。