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学内ICT担当に聞く、教育ICT整備と活用のコツ -Edvation × Summit 2018-

 

 

11/4-5に紀尾井カンファレンス、麹町中学校で行われている「Edvation × Summit 2018」。

11/4の「学内ICT担当に聞く、教育ICT整備と活用のコツ」のパネルディスカッションをレポートする。

 

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登壇者

 

野本 竜哉 氏(株式会社Z会

横濱 友一 氏(聖徳学園中学・高等学校)

大川 幸祐 氏(日本大学三島高等学校・中学校)

乾 武司 氏(近畿大学附属高等学校・中学校

 

 

パネルディスカッション1「みなさんの学校で主に使っているアプリやシステムは何?」

 

【乾氏】

 ・サイバーキャンパス

 ・アプリは自由にダウンロード可

 ・授業支援ソフトは使っていない

 

【横濱氏】

 ・Gsuite

 ・Apple 純正アプリ

 ・ロイロノートスクール

 ・MetaMoJi Classroom

 

【大川先生】

 ・ Gsuite と

 ・Office365

 ・ロイロノートスクール

 ・Classi

 

これらのICT先進私立学校では、先生は1人1つのメールアドレスを取得することになっているが、公立校では取得が難しい現状である、と乾氏は指摘している。

 

 

 

パネルディスカッション2 「スタートしてみてわかったICT実践の課題は?」

 

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ICTの普及が進むにつれて、保護者や職員から運用に関する意見が出て来る。

当初のビジョンから外れてしまわないように注意する必要がある。

(横濱氏)

 

 

導入して3年目だが、教員のスキル格差が出てきた。

対生徒に対して戸惑いながら使う先生が出てきた。

(大川氏)

 

 

学力向上のためだけにICTを導入したわけではない。

企業がやっているような、日々の業務の利便性を高める体験をさせたかった。

今でも試行錯誤、実験中ではある。

時々受ける質問に「ゲームしないですか?」と聞かれる。

する子もいます。ただ、それは旧来の授業で眠っていた子がゲームに移行しただけ。

教員の授業設計力を問われている。アプリの規制はしない。

(乾氏)

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ICTの利用は子ども達には生涯付いて回ることであり、これからの仕事で使えなきゃ生きていけない。今までの「鉛筆と消しゴム」と同じ。使えて当たり前。

さらに乾氏は、

 「諸外国を回ってみて、教育でICTを使っていない国はなかった。日本のガラパゴス化をどうにかしたい」

と危惧している。

 

 

 

 

パネルディスカッション3 「「先に考えておかないと詰む」というポイントを教えて!」

 

 

ICTを導入するとびっくりするような悪いことが出る。写真の不正投稿など。それを覚悟しておく。

「じゃあ写真はダメです、ゲームはダメです」ではいけない。

万引きの恐れがあるから店を開けない店はないですよね?

教育で使い方を教えなければならない。対処療法的な規制は意味がない。

(乾氏)

 

 

導入すること自体が目的ではうまくいかない。

導入してどうしたいの?の目的を考えなければならない。

生徒からの申し出により当校では公開生徒総会が行われた。

テーマは校則の見直し。その場でGoogleアンケートで集計する。

 教員以上にツールや社会情勢などの情報を知っている生徒が多い。

生徒主体で任せている。

(大川氏)

 

両者とも、生徒主体の運用を第一に考えていることが分かる。一方、横濱氏は技術的な側面から以下のように指摘する。 

 

導入時にベンダーにまるきっりお任せはやめたほうがいい。

値段だけで決めない。ベンダーがちゃんと情報を持っているか。

それと、先生自身がツールに詳しくなること。

2、3社の見積もりをとること。

また、ちゃんと学籍などの「番号」で生徒を管理する文化が必要。

名前で管理だと、同性同名の場合に区別ができない。 

(横濱氏)

 

 

 

 

パネルディスカッション4 「導入/運用のために習得すべきこと、外注しても大丈夫なこと とは?」

 

 

ベンダーをほとんど入れてない。業者と直でやりとりをしている。

本校校長の方針は「ICTで日本一になる」。

乾先生の学校はすでに日本一。追い越すにはスピード感を持ってやらなければならない。iPadのキッティングは自分たちでやる。全速力でやるなら外注はしない方がいい。

(横濱氏)

 

 

一般教員がICT技術に長けているわけではないので、横のつながりで情報共有を大切にした。

(大川氏)

 

 

 

キッティング、処理の対応は業者に任せる。

導入当初に、そのような作業も教員がするなら導入はやめましょうと言った。

また、生徒の使える機能を制限することは、生徒の活動範囲を狭めてしまう。

キッティングが存在しない学校がベスト。デバイスも生徒が選んで来るのが理想。

先生は到達度目標、どうなってほしいかの設計が先生の仕事。

(乾先生)

 

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まとめ

 

学校の目的に応じた導入、運用の方法があるようだ。

学校内に閉じるのではなく、世界とつながることができるのがICTの良さであり、将来使えるようなスキルを身につけさせるためにも、生徒主体の運用をした方が良さそうだ。問題も起こるかもしれないが、それらをテーマにしたリテラシー教育も学校が担う時代になってきているようだ。