もしも数学教師がITベンチャーに入社したら

数学教師が教育ITベンチャー「スタディプラス」に入社。 現場視点を大切にして教育や学びをシェアしていきます!

ベルフェイスユーザー会での登壇で学んだこと

 

ベルフェイスは日本のインサイドセールスを牽引する会社です。

そのユーザー会で登壇させていただきました。

f:id:rabe0703:20181213012504p:plain



www.moshiben.com

 

 

 

登壇させていただけた理由

 

f:id:rabe0703:20181213012210p:plain

なぜセールス、CS経験の浅い私が登壇させていただけたかというと理由は2つ。

 

1つは、前職にて「教育」というこれまたレガシーな領域へのテクノロジー導入を経験していたからです。5年ほど前から教育業界に盛んにテクノロジーが導入され、破壊的なイノベーションが起きています。私も教員として、現場のいちプレイヤーとして業界の根本を変えようと試みた経験がありました。

 

www.moshiben.com

 

 

ベルフェイスも「勘と根性の営業を、テクノロジーで進化させる」ことをミッションとして、業界のパラダイムシフトを起こそうとしています。

 

 

もう1つは、当社の運用方法が少し特殊だったからです。

 

通常はセールスで用いるベルフェイスですが、当社はクライアントのオンボーディングのためにも多く利用しています。

 

 

ベルフェイスで実現できたこと ①「すぐに!」

 

前職では顧客側の立場で様々なITツールを導入していましたが、

その時に感じた不満が2つありました。

f:id:rabe0703:20181212183106p:plain

Saasビジネスにはあるあるだと思います。当社でも同様でした。

ジョインしてすぐにこの2つの課題を解決しようと動きました。

 

1つ目は、「すぐに!」サービスを試してみたかった不満です。

顧客は、問い合わせ時に一番そのサービスを利用したがっています。

 

私が顧客側であった当時、興味を持ったサービスの会社のHPに問い合わせてみると

 

・氏名、メールアドレスなどの登録をする

・担当者から翌日に返信メールが来る

・利用するには一度会って商品説明を受けなければならない

 

サービスに触れるまでが長い。とても長い。

もうこうなってくるとサービスへの興味は薄れちゃいますよね。

 

ベルフェイスを利用すれば顧客の問い合わせ時に、電話を通して画面をつないで(ソフトのダウンロードが不要!)、サービスの画面をお見せしたり手元のスマホとの機能連携を瞬時に実現することができます。

 

この運用を行ったところ、受注率が劇的に上がりました。

顧客のアクションに対して瞬時に対応し、サービスの価値を最短で顧客に届けることができています。

 

 

ベルフェイスで実現できたこと ②「たくさん!」

 

当時使っていたサービスも、現在販売しているサービスもSaasサブスクリプションモデルです。使われてナンボのサービスです。高いアクティブ率維持が求められます。

 

利用している側も、フェーズごとに様々な分からないことが出てきます。そんな時に気軽に質問したり、運用のアドバイスを「たくさん!」聞けるといいなと思っていました。

 

しかし、担当者も忙しいでしょうから聞くにも聞けません。来訪日を設定するのも気が引けます。もっとカジュアルに「たくさん!」聞ければよかったです。

 

 

そんな不満を解消するべく、タッチの回数をベルフェイスを通して多く重ねることにしました。

 

予めオンボーディングするまでは週1程度のMTG日程を決めさせていただいております。顔を合わせて、画面を共有することがカジュアルにできるベルフェイスがあるからこそ実現できています。

 

ジョインしてすぐに行った施策です。顧客の引き継ぎ時にすぐに電話、ベルフェイス。オンボーディングしていない顧客には毎日のように電話、ベルフェイス。タッチ回数をとにかく増やしました。

 

結果、アクティブ率が劇的に向上しました。

テクニカルな施策が功を奏する時もありましたが、まずは顔を合わせる、現状をヒアリングする、信頼関係の構築を目指すなどの基本的なことを行いました。

 

今でも「すぐに!」と「たくさん!」を心がけています。ベルフェイスをフロントとし、顧客のフェーズに瞬時に対応できるように複数のツールを用いて対応しています。

 

f:id:rabe0703:20181212182334p:plain

 

ベルフェイスという選択肢があったから「すぐに!」と「たくさん!」を実行に移すことができました。

 

もしかしたらベルフェイスがなくてもできたのかもしれませんが、このツールを通してカスタマーサクセスの視点をチームが養っていくことができたのだと思います。

 

 

 

カスタマーをサクセスするということ

 

ユーザー会ではトレタの鈴木さんも一緒に登壇、パネルディスカッションをさせていただきました。

 

bell-face.com

 

スキルも経験も大先輩である鈴木さん、直接の情報交換もとても有意義でした。「ゴリゴリマニアックに」というのはこういう人のことを言うのだなと感じました。

 

鈴木さんの登壇内容にも、私と少しだけ共通な話題がありました。

  

・「鉄は熱いうちに打て」(アップセルの話ですが)

・「短期間で3回タッチできる設計を行う」

 

フェーズは異なるものの、当社と同じように「すぐに!」と「たくさん!」はどんなサービスでも大切です。

 

この2つはカスタマーをサクセスするために必須の方法です。信頼関係構築の方法です。

 

このようにして顧客と信頼関係を構築するのは、顧客のためでもありますが、プロダクト・サービスのためでもあります。

 

顧客からの適切なFBがあってこそプロダクトは進化します。より良いものになります。チームや社内にも良い議論を生み、ポジティブな良い風を流し込みます。

 

顧客とプロダクトの関係について再考するきっかけになったのは、こちらのベルフェイスの小林泰己さんの記事。

note.mu

 

 

 

 

私は教育・学習サービスの中で、一番好きなプロダクトだったので当社に入社しました。

入社当初は「カスタマーサクセス」の視点は今ほどはよく分かりませんでしたが、

 

この視点を得たことによって、さらにプロダクトをより良くする手段・考えを得ることができたと確信しました。

 

今回の登壇のアウトプットの機会をいただいたことで、良質なインプットがたくさんありました。そして、プロダクトの価値を最大限に引き出すためにも、引き続きカスタマーサクセスに注力していかねば!と再認識しました。

 

日頃からベルフェイスのCS担当者:島田さんに素晴らしいサポートをしていただいている上に、このような貴重な機会をいただけて本当に感謝です。

f:id:rabe0703:20181213012834p:plain

左からベルフェイス代表の中島さん、トレタ鈴木さん、阿部

 

 

 

ITの進化がもたらす教育市場の破壊的イノベーション

ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授は、2008年の著書『教育×破壊的イノベーション』の中で、ITの進化によって教育市場の破壊的イノベーションが起きると予言しました。

 

 

 

現在、日本の教育市場では進化したITの導入によって破壊的イノベーションが起きています。クリステンセンの予言が的中しています。

 

 

 

破壊的イノベーションとは?

 

クリステンセンによると、破壊的イノベーションとは「既存の企業や現在の顧客が必要としていないイノベーション」です。

 

既存のリーダー企業が失敗をするのは、意思決定を誤るからではありません。リーダー企業は、現在の顧客の声に耳を傾け、現在の顧客が望む製品やサービスを提供することに注力するため、失敗してしまうのです。

 

破壊的イノベーションによる製品やサービスは、すでにマジョリティー層にいるユーザーではなく、少数のイノベーターユーザーに評価されることで市場に参入することができます。

 

[ç¡æåç] ä¼è­°ã§ãã¸ã¿ã«ããã¤ã¹ãå©ç¨ãããã¸ãã¹ãã¼ãã« 

 

破壊的イノベーションによるリーダー企業の交代の流れ

 

1. 既存の大企業は、既存の中心ニーズのユーザーの要求に応え、収益性の高い持続的イノベーションを追求する。

 

 

2. 低性能だった破壊的イノベーションによる製品は、当初こそローエンドな市場ニーズにしか応えられなかったが、少しずつ改良され、既存市場の中心ニーズも満たすようになっていく。

 

 

3. 持続的イノベーションによる製品性能が過剰性能(過剰解決)になってしまい、一方では破壊的イノベーションの製品でハイエンドの消費者が満足できるようになると、一気にリーダー企業の交代が起きる。

 

 

f:id:rabe0703:20181212164150p:plain

2種類の破壊的イノベーション

 

 

クリステンセンによると、破壊的イノベーションには2種類あるという。

一つは、既存市場の「低価格・低機能」の市場から出発する「ローエンド型破壊」。先ほどのリーダー企業の交代はこのローエンド型破壊によって起こる。

 

 

もう一つは、消費者がいな市場から出発する「新市場型破壊」。

技術革新によって新しい価値を生み出し、今までにない市場を作り出すことによって起こる。

 

 

カメラ市場においてフィルムカメラが主流だった時代に、デジタルカメラの台頭によって市場の塗り替えがなされたのは新市場型破壊である。

 

 [ããªã¼åç] ã¹ããã¨ã¿ãã¬ããPCãå©ç¨ãããã¸ãã¹ãã¼ãã«

 

 

教育業界における破壊的イノベーション

 

 

現在、教育業界にもITの進化によって破壊的イノベーションが起きています。

 

 

教育における持続的イノベーションとは、従来型の「一斉授業」方式を用いるイノベーションです。

 

 

一斉授業の形態は崩さずに、新たなITツールを従来の形態を補完するツールとして導入されます。

 

 

今までの文化、形式、教師を少しだけエンパワーする改革です。現在でも大手のリーダー企業がこのような持続的イノベーションを進めています。

 

 

 

一方、教育における破壊的イノベーションというのは、「学びの個別化」を実現することです。

 

 

動画コンテンツやAI教材を用いて、個々に学習を実現するアダプティブラーニングがこれに当たります。

 

 

そこでは従来の一斉授業は行われません。ITを用いた学びの個別化は、最初のうちこそ既存の教育ニーズを満たさないものでした。

 

 

例えば動画コンテンツも自由な時間・場所での閲覧に制約がありました。一般家庭が手を付けられないほど高価でした。

 

f:id:rabe0703:20181208101112j:plain

 

しかし、それは次第に解消されていきました。また、動画コンテンツはいわゆる「見て終わり」で学習内容が確実に定着しない課題がありましたが、それを補完するような「学習メンター」「学習管理」のようなITサービスも出現しています。

 

 

そして徐々に市場の中心ニーズを満たすようになると、リーダー企業の交代(ローエンド型破壊)が起こるようになりました。

 

 

www.moshiben.com

 

 

 

教育の中心である「公教育」の外側で起きる

 

このイノベーションは学校よりも塾の業界で顕著に起こっています。

 

 

集団指導が主流でありましたが、やがて個別指導・自立学習の形態が台頭しています。授業はあまり行わず(もしくは全くやらない)、生徒がITを用いて学習します。

 

www.moshiben.com

 

生徒のレベルにあった動画コンテンツで学習することができます。「一斉授業」を一切行わないからこそ実現できたイノベーションです。

 

 

現在では「学びの個別化」に市場トレンドが大きくシフトしています。

 

 

このようなイノベーションは、教育の中心である学校の外側で起こります。塾であったり、教員不足の顕著な農村部の学校、通信制の学校、就学前教育などのかつては「無消費」だった市場で起こります。

 

 

教育における破壊的イノベーションは、教育の中心である学校からは起こりにくいです。カリキュラムや制度を0から作り出すのではなく、上乗せする形で改革がなされています。

 

 

日本のカリキュラムは教科の縛りが強いことが特徴です。これが制度レベルのマクロなジレンマです。故に抜本的に、根本的に改革することは困難です。

 

 

また、ITによっての破壊的イノベーションは、教員の仕事をいくつかリプレイスします。教える業務も動画コンテンツやAI教材がリプレイスします。

ããªã¼åç, 風æ¯, 学校, æ室, åå¼·æº

 

しかし、教員は教えたくて教員になった人が多いです。生徒に直に教えたいんです。 これが現場レベルのミクロなジレンマです。

 

 

教育業界における破壊的イノベーションは、

 

・完全に「学びの個別化」へのシフト

・無消費な領域へのIT利用

 

によって今後も加速していきます。

 

 

 

なぜ学力テスト結果で教員評価をしてはいけないのか?

 

 

大阪市の方針

 

大阪市は小6と中3が受ける全国学力調査の結果が政令指定都市の中で最下位でした。

 

この結果を受けて大阪市の吉村洋文市長は、今年8月に校長や教員の評価やボーナスの額に反映させる意向を示しました。

 

f:id:rabe0703:20181212151438j:image

 

もともと大阪府は様々なデータにおいて全国最下位レベルです。

例えば、大学入試センター試験の現役志願率(平成28年)でも全国46位の結果です。

 

進学意識が低い!という精神論だけでは片付けられません。背景には家庭環境、経済格差の要因があります。

 

吉村市長の方針は、教員に喝を入れるような意図があるようですが、ことはそう単純ではありません。学力形成には様々な要因が関わっているのです。

 

 

学力は多くの要因から形成される

 

なぜ学力が低いのか?この現象をもっと多面的に捉える必要があります。

 

・非正規雇用

・離婚率

相対的貧困率

・母子家庭率

 

これらの指標で大阪市は全国ワーストに近い位置にいます。大阪市の学力格差の要因は家庭環境、経済格差なのです。

 

f:id:rabe0703:20181212151529j:image

 

そこで大阪市塾代助成事業の制度を導入し、学力格差の是正を試みています。

 

【塾代助成事業】
・市内に居住している中学生
・一定額以下の世帯所得(中学生の約半数が対象)
・月額1万円が上限

 

しかし、月額1万円では焼け石に水のような気がします。

 

学力向上を、教育面だけで解決しようとするのがナンセンスです。家庭や社会の歪みの結果が学力テストの結果に表れているだけです。

 

それなのに教員の評価に反映させていては教員はやる気をなくします。辞めます。採用倍率が低下します。大阪市の教育の質は低下します。

 

社会全体の課題を、教員だけに押し付けるのは止めましょう。

 

f:id:rabe0703:20181212151818j:image

 

現在の「学力」を上げることに躍起になる必要はあるか?

 

この議論に上がっている学力は、ペーパーテストで測れる「見える学力」です。

 

現在の教育改革では、この認知能力に加えて非認知能力の育成が求められています。

 

文科省が以前から強調している思考力、判断力、表現力に加えて、

クリエイティブな発想やプレゼンテーション能力の育成が求められています。

 

f:id:rabe0703:20181212151557j:image

 

教員も、これらの非認知能力をどのように育成するかを日々研究と実践を重ねています。

 

このようなパラダイムシフトが起きている中、この大阪市の議論は時代遅れすぎて落胆してしまいます。

 

社会の課題が学力テストに表れているだけです。社会全体で教育を考え、教育論議それ自身も次のフェーズに移りたいものです。

 

 

産学官民の立場からの教育論議

12/6、ホテルメトロポリタン池袋にて私塾界プレミアムセミナーが行われた。

月刊私塾界|全国私塾情報センター

 

産学官民のそれぞれの立場から、昨今の教育についての議論がなされた。

f:id:rabe0703:20181210195417j:plain

 

 

第1部 トークセッション「これからの個別指導塾を考える」

【登壇者】

東原 俊哉 氏(プリンシパル) 株式会社アドバンテッジパートナーズ

常石 博之 氏(取締役副社長) 株式会社スプリックス

豊川 忠紀 氏(代表取締役) 株式会社創英コーポレーション

 

 

 

日本の個別指導塾を牽引する三社によるトークセッション。

個別指導塾の特徴であるのは、生徒一人一人のニーズに確実に応えること。

 

 

昨今の教育改革では様々なジャンルの塾が表れている。プログラミングに象徴されるSTEM教育に特化する塾、探究型の学びに特化する塾など、新たなニーズを掘り出して応えていく学習塾が増えている。

 

 

しかし、この三社の姿勢はとても現実的で堅実的だ。入塾してくる生徒は学校の授業についていけない生徒や、学校の授業では補えない入試学力の補強を求める生徒だ。

 

あくまで学校を補完するニーズに対応する。マーケットにはっきりと顕在化しているニーズにパーソナライズして応えるのが個別指導塾だ。あえて新しいニーズを掘り起こすことはしない。既存のニーズを追いかける形だ。

 

もちろん社内事業には新しいニーズに応える事業やサービスも展開しているが、メインは現在の課題を解決する、目の前の生徒に尽くすことである。

 

マーケティングの観点からも、新しいマーケット開拓やソリューションの提供は大きなリソースを必要とする。そのため、現在の顕在化さえれているニーズにサービスをフィットさせ、ほとんどのリソースを投下している。

 

 

 

第2部 パネルディスカッション「『未来の教室』が描き出すこれからの教育」

【モデレーター】

公益社団法人国学習塾協会 安藤 大作 氏(会長) 

【パネリスト】

経済産業省 浅野 大輔 氏(教育産業室 室長)

文部科学省 安彦 広斉 氏(初等中等教育局 視学官)

千代田区麹町中学校 工藤 勇一 氏(校長)

探究学舎 宝槻 泰伸 氏(代表)

 

f:id:rabe0703:20181210195543j:plain


 

 

第1部では業界の同じ立場の方々によるディスカッションであったのに対し、第2部ではそれぞれ立場の異なる方々から「未来の教室」に関するディスカッションがなされた。それぞれの発言内容ごとに記載する。

 

 

 

千代田区麹町中学校 工藤 勇一 氏(校長)

 

麹町中学校では、今までの学校に当たり前のようにあった制度や文化を見直している。

 

定期テストなし

・宿題なし

・固定担任制なし

 

工藤氏は学校を医療現場に例える。医療現場では「チーム医療」として患者の容態を分析してそれに合わせて適切な専門スタッフが対応する。

 

固定のスタッフが全て対応するのではない、患者に応じた患者主体の対応だ。これを学校に当てはめて「固定担任制」を廃止した。生徒に合わせて面談者を決めていく。

 

教員がチームとなってクラス、学年の生徒情報を共有する。生徒も人であり、教員も人である。そのため相性の良い悪いは存在する。先生全員で生徒全員を見る、チームとしてみる、生徒に合わせて適切な指導や環境を提供する、生徒主体の教育の実現だ。

 

定期テストを廃止するのも、医療現場にはない「競争原理」をなくすためだ。医療と同じで、競争していては何かしらの無理が祟ってしまう。

 

また、カリキュラムも見直している。全員に対して学習指導要領のカリキュラムを全て教え込む必要はない。

 

全員に対して小学校1-6年までずっと漢字の書き取りは必要か?目が不自由な子どもに必要なことは?現代ではスマホやPCでの文字入力が主流なのでは?

 現行のカリキュラムは内容が多すぎる。その子に合わせて絞ることが必要。

 

この麹町中学校はまだ特異な方ではあるが、このように変革を起こす学校は増えてきている。

 

 

 

探究学舎 宝槻 泰伸 氏(代表)

 

一方、塾業界でもかつてとは異なるジャンルの塾が台頭してきている。

 

探究学舎はPBL型の授業で学習者の探究心を育成している。

子供の心に火を付ける「教育のディズニーランド」を目指している。

 

現在の学習塾が、受験勉強の対策に特化したものが多いのに対し、探究学舎は受験を意識しない学びを提供している。

 

マーケットもマイノリティーを狙わない。新時代に向けた教育改革に感度の高い、少数の「イノベーター」をターゲットとしていた。そして、現在ではキャズムを越え、マジョリティ層の人気を獲得している。

 

 

 

文部科学省 安彦 広斉 氏(初等中等教育局 視学官) 

 

安彦氏は、学習指導要領改訂の内容についても言及している。学習指導要領を目標カリキュラムとし、文部科学省としてどのように変革する社会に適応できる人材を育成するかを論じた。

 

経済産業省 浅野 大輔 氏(教育産業室 室長)

 

一方、浅野氏は学習指導要領の限界を示唆している。

かつては学習指導要領の内容を画一的な教科書で教え込んでいた学校だが、

これだけテクノロジーツールが発展してきた現代において、

何を使って学ぶか、教えるかにはこだわらない。どのように山の頂上に行くかは自由だ。

 

 

また浅野氏は塾の役割の変遷を強調する。

 

「学校、保護者フォロワーとしての塾の時代は終わった」

 

すでに顕在化している学校補完のニーズへの対応ではなく、市場を、新しいニーズを開拓していくことが求められるという。

 

 

このように、第1部とは違って第2部では、既存のマーケット、慣習、制度を見直す議論が盛んになされた。このセミナーでの議論から、産学官民が一体となって昨今の教育改革に取り組んでいる様相を、より具体的に垣間見ることができた。絵に描いた餅では終わらない、現実的で発展的な教育改革が進行している。 

 

 

 

髪型に関する変な校則

教員時代、髪型に関する変な校則がありました。

その時の葛藤を書きます。

 

f:id:rabe0703:20181208000857j:image

 

頭髪が耳にかかってはいけない

 

男子は髪が耳にかかってはいけません。前髪も眉毛を越えてはいけません。女子も。茶髪はもってのほか。

 

 

男子の、耳にかかっていない「ツーブロック」も禁止。

生徒からは当然反発が出ます。「耳にかかってないじゃん!」

 

先生は問答無用で「ツーブロックもダメ」。

おそらく先生からしたら、流行りに乗らせることは生徒を調子に乗らせる、許してしまうとコントロールできない。

 

従順そうな、髪がサッパリしてる子が好きだったのでしょうね。

 

 

頭髪検査を学期に1回実施

 

学期に1回程度、頭髪検査を実施していました。全校集会、学年集会終わりに生徒を1列に並ばせて、先生全員で一人ずつチェックをしていきます。軍隊?

 

少しでも髪が耳にかかっていたり、前髪が眉毛を越えるくらい長かったら違反。その場で注意をし、「明日までに切ってこい」。

f:id:rabe0703:20181208000907j:image

 

髪型の乱れは心の乱れ?

 

髪型、服装の乱れは心の乱れと、先生たちはしきりに言います。確かに、髪型や服装が校則違反の生徒は荒れています。目立ちます。

 

でもそれは、自我の芽生えや、何かしらの精神状態の表れです。先生はそれを認めて生徒の心に耳を傾けるべきです。

 

頭髪検査時、少しだけ違反の生徒もいますが、中には明らかに長髪、茶髪な生徒もいます。

 

そういう生徒は何かしらのサイン、黄色信号を発しているはずです。家庭状況や友人関係に何かしらの問題を抱えている。精神的に不安定。

f:id:rabe0703:20181207235743j:image

これはありがたいサインです。先生はこのサインを見逃さずに、時間をとって生徒の現状を寄り添って聞けばいいのです。

 

しかし、問答無用に「明日までに切ってこい!黒に染めてこい!でなきゃバリカンで刈るからな!」

 

おいおい…

 

髪型や服装の乱れは心の乱れ、と言いますが、それをバリカンで刈るだけでは解決になりません。

 

そのように抑圧された生徒は長髪や茶髪を繰り返しますし、その他の問題行動を繰り返します。

 

短髪、黒髪は誰のためなのでしょうね?学校の見栄え?

 

 

なぜ校則はなくならない?

 

なぜこのような、一見理不尽な校則がなくならないかというと、教員の評価に関わるからです。

 

自分が担任をするクラスの生徒の服装がキチンとしていれば、その担任は「指導力のある先生」と評価されます。

 

逆に、クラスの生徒が長髪茶髪の違反生徒ばかりでしたら、「ダメな先生」の評価を受けます。

 

もちろん、このような評価は数値化して給与に反映されるなどのような制度ではありませんが、このような評価の見方は、先生たちの間では一定のコンセンサスを得ています。

f:id:rabe0703:20181208001110j:image

おそらくこのような先生たちも、新人時代にこのような評価の観点で良い先生か悪い先生か評価されてきたのでしょう。

 

今さら、評価の軸を見直すことは、過去の自分たちを否定することにもなりかねないことから、先生たちは見方を改めることができないのでしょうね。

 

文化というのは恐いもので、私も染まっていきました。最初は「これでいいのか?」と思っていましたが、徐々に先生たちの評価を気にしています。

 

生徒たちに対する、この不尽さへの理解は示していましたが、かえって中途半端です。私の中で割り切れなかったのが一番良くないことだと思います。

 

 

 

誰のための校則?

 

校則は、誰のためにあるのでしょうか?

もちろん生徒のためです。

 

学校は、生徒が安心して成長できる学習の場を提供することが求められる環境です。

 

そのためには、髪型の長さ、服装の規制は必要でしょうか?

 

現在ではこのような当たり前を見直す動きがなされ、制服を無くしたり、校則を見直すことが増えてきています。

 

また、学校にスマホを持ち込むことが禁止されている学校が多い中、学校でのスマホ利用を許可する学校も増えてきています。

f:id:rabe0703:20181207235539j:image

生徒のより良い学習環境を提供するためです。

最低限のルール、校則は生徒のために設けられるべきです。

 

 

校則は誰が決めるべき?

 

校則は、生徒が決めるべきです。

髪型も、服装も、スマホの利用も、生徒が自分たちにとって何が必要なのかを考えさせるいい機会です。

 

中には、楽な方ばっかりに考える生徒、自立していない生徒がいます。

 

しかし、しっかりと自分たちの学習、学びがどうあるべきかを広い視野を持って考えようとする生徒が少なからずいます。

 

その子たちを中心に考えさせればいいのです。

f:id:rabe0703:20181207235603j:image

これからの時代は、既存のルールに縛られず、新しい価値を創出していく時代です。当たり前の既存概念、固定概念を批判的に、創造的に思考する力が求められます。

 

そのような力を育成するためにも、校則の見直しを生徒に考えさせるのがベストだと思います。

 

 

 

 

セールスフォースの100億円投資で盛り上がるスタートアップ  -「リーン・スタートアップ」まとめ-

 

セールスフォース・ドットコムは、日本のスタートアップ企業を対象とした1億ドル(約110億円)の専用の投資枠を拡大する。

www.nikkei.com

 

日本のクラウド市場がますます急拡大し、スタートアップが盛り上がるのは間違いありません。

そこで今回はスタートアップ企業にとって重要な方法論である「リーン・スタートアップ」についてまとめてみました。

 

 [ç¡æåç] ãã¹ã¯ã®ä¸ã«ä¸¦ãã ãã¸ãã¹ã¢ã¤ãã 

 

 

 

リーン・スタートアップとは?

 

「リーン・スタートアップ」(lean startup)とは、2008年にアメリカの起業家エリック氏が提唱した、新規ビジネス創出における方法論や手法のことです。個人や企業が新しい事業を始める際に用いられます。

 

リーンスタートアップのリーン (Lean)とは、「無駄のない、スリムな」という意味です。リーン・スタートアップは、顧客にとってニーズにのない無価値な製品やサービスを開発してしまわないように、時間や労力の無駄をなくすための方法論です。

 

 

最低限のコストと短いサイクルで仮説検証を繰り返しながら、市場やユーザーのニーズを探り当てていきます。リソースが豊富にないスタートアップや新規事業において、無駄なく成功させるための重要なビジネス開発の手法です。

 

シリコンバレーで大きな支持を獲得しているリーン・スタートアップの手法は、起業家に限らず、企業内で新しい事業を立ち上げる際にも必要とされます。実際、アメリカでは「企業内起業家」に広く浸透しつつあり、変化の激しいビジネスに関わるすべての人にとって重要で、新しい指針となりうる考え方です。

 

 

 

リーン・キャンバスとは?

 

リーン・スタートアップの方法論の中心となるツールが「リーン・キャンバス」です。事業の規模が大きい場合には「ビジネスモデル・キャンバス」を用います。エリック氏はこれを元にしてリーン・キャンバスを作りました。

リーン・キャンバスは一枚の紙に書きます。下記のような構成です。

 

f:id:rabe0703:20181205221514p:plain

 

 

1. 顧客セグメント 

企画しているサービスの顧客像を設定します。性別、年齢、志向、生活様態を詳細に記述します。幅広い顧客層を設定すると、後にキャンバスを埋めていく時に困難が生じます。チームの誰が見ても明確にイメージできるターゲットを設定します。 

 

 

2. 課題

設定した顧客が抱えている課題を、原因も含めてピックアップします。課題は何個も思い浮かびますが、ピックアップするのは上位3つまで。3つに絞らないと本当に重要な課題が見えてきません。 

 

 

3. 独自の価値

企画しているサービスの独自性を記述します。顧客に対するメッセージの形で記入しましょう。 9つの中で一番大切な要素です。

 

 [ç¡æåç] ãã¼ãã£ã³ã°ä¸­ã®ãã¸ãã¹ãã¼ã 

 

4. ソリューション

ピックアップした課題を解決するために、自社が提案する解決策を記述します。これでビジネスとしての方針が決まります。

 

 

5. チャネル

顧客に対して、どのようにアプローチしていくかのタッチポイントを書きます。インバウンド、アウトバウンドの複数のチャネルを考えておくと、様々な顧客へのアプローチが可能となります。

 

 

6. 収益の流れ

自社のサービスをどのように収益に変えていくかを記述します。提案するものが有形、無形のサービスかによって大きく異なり、顧客生涯価値などを考えておきます。

 

 

7. コスト構造

サービスを顧客に提供するために必要なコストを計算します。計画の段階では細かい数字を出すのは困難ですから、とりあえず大まかな数字を書いておきます。

 

 

8. 主要指標

事業のKPI(key performance indicator :重要業績事業指標)を設定します。新規顧客獲得数、顧客の回転率、リピート率、アクティブ率など様々ですが、そのビジネスモデルが最終ゴールをどのように設けるかによって決まります。

 

 

9. 競合優位性

自社が提供するサービスに対して、他社が真似できない優位性を設定しましょう。他社が後から参入出来ない圧倒的な優位性の要素を盛り込みます。有する顧客情報、信頼性、コミュニティ、SEOなどがあります。

 

[ç¡æåç] ä¼è­°ä¸­ã«æä½ãããã¼ããã½ã³ã³ 

 

リーンキャンバスのメリット

 

1. 高速性

1枚の紙に書きますので、30分もあれば書き終わります。また、何度も書き直しの修正を簡単に行うことができます。

 

2. 簡素性

9つの要素から構成されており、簡潔であり、本質がすぐに分かります。その簡素さ故に的確なフィードバックを得ることもできます。

 

3. 携帯性

持ち運びや共有が容易です。どこにでも貼っておくことができます。いつでもチーム内に共有することができます。

 

 [ç¡æåç] ä¼è­°ã§ãã¸ã¿ã«ããã¤ã¹ãå©ç¨ãããã¸ãã¹ãã¼ãã«

 

リーンキャンバス作成の注意点

最初に作成したリーンキャンバスは、度々の見直しが必要です。不確実性の高いマーケットでの戦いにおいては、戦略をピボットしながら開発していくことが求められます。B2B向けで始めたものの、途中からB2C向けのサービスだったということもあります。最初からブレないビジョンを構築しておきましょう。そして、リーンキャンバスの見直しは一人ではなく、チームで行いましょう。

 

 

 

今の時代に一斉授業は適している?

 

学校の授業形式は、最近までは一斉授業が主流でした。一斉授業は付いていけないし、眠くなるし、本やネットで独学した方が良かった!という人も多いのでは?

 

なぜこの一斉授業という形式は、長年変わることができなかったのか?

今の時代に適しているのか?

 

私の教員経験談も踏まえて解説していきます。

é»æ¿ã«æ¸ãããã³ã¼ã

 

 

  

今の時代に一斉授業?

 

日本における一斉授業の歴史は、100年以上前の明治維新から始まります。もともとは庶民は寺子屋か私塾での個別指導が基本でした。ところが西洋に倣って効率化を優先する一斉授業の形式に変わります。同じ内容を多くの子どもに伝えるのは一斉授業が効率的です。

 

 かつてはその教授法で国の生産性は向上していました。50年ほど前の高度経済成長期の工業化社会ではモノを大量生産することでビジネス・国が成り立っていました。そのため、組織から決められたことを素早く正確に、効率的に処理する能力に長けている人が評価され、その能力で一生仕事ができるモデルが成り立っていました。

 

æ´æ¸ã®æ¬æ£

 

学校教育においても、大量の知識を習得して問題を早く正確に解くことが重視されていました。その学校の勉強で養った能力で、その組織でも仕事ができていたのです。

 

しかし、現在の高度情報化時代では情報の更新が目まぐるしく起きます。新たなテクノロジーが既存のルールや仕組みを変えます。そんな時代に求められる力は、新しい価値観やルールに適応する力です。自分で新しいものや仕組みを生み出す人です。求められる能力はとっくに変わっているのです。にもかかわらず、教育の見直しはさほどなされてきませんでした。

 

もちろん一斉授業が全て悪いのではありません。基本知識の習得には一斉授業が効率的です。ただ、一斉授業には時代が求める力の育成に向いていない部分もあります。一斉授業では他人と議論したり、プレゼンテーションする時間をあまり取ることができません。日本の教育が、時代に求められる能力の育成に遅れをとったのです。

 

 

一斉授業の教授法が受け継がれる仕組み

 

求められる能力が変わっても、日本の教師は教授法を変えませんでした。変える気がないのではありません。教師というよりも、文化が変わりにくかったのです。

 

教員になるためには、教員免許を取得します。教員免許を取得する際の実習も、一斉授業が基本です。実習先の先輩に習って一斉授業の型を習います。もちろん、「守破離」のために型から学ぶというのは大事なことですが、その教授法以外を研究する時間が与えられません。

 

æ¨é ã®æ室ã¨é»æ¿

 

学習者にどんな力を身に付けさせたいかを考える教授法を選択する、という流れが自然ですが、逆のことがなされています。そして、一斉授業を基本とする先輩先生から指導を受けた教員志望者は、一斉授業を基本とするのは自然なことです。

 

教員になってから教授法の見直しがなされればいいのですが、教員は多忙です。現場に入ってからはなかなか新しいことを取り入れることはできません。教員の怠慢ではありません。時間がなくて物理的に難しいのです。

 

ただ、一部の教師は自分の授業や教育観のアップデートを図ります。外の研究会に参加し、情報交換をして変革の熱量を受け取ります。やる気が出て自分の学校に戻って新たなことに挑戦します。しかし、新たな取り組みは他の先生に受け入れられなかったりして、学校全体に普及することは稀です。

 

  

教育観を変え得るのはテクノロジーの導入

  

現在、教育現場に変革が起きています。きっかけはテクノロジーの導入です。様々な動画授業が学校に導入され、必ずしも先生が一斉授業をしなくてもよくなりました。むしろ、生徒個々のレベルの合った動画授業はより効率的に知識の定着を可能にしたのです。

 ãã­ã°å·ç­ä¸­ã®ããã¯ç³»ãã­ã¬ã¼

 

さらに、時代に求められる力もテクノロジーで育成できるようになりました。他の人と意見を交換したり、プレゼンテーションをしたり、新たなものを生み出すことができます。

 

さらには、インターネットの利用が学校内でも許されるようになり、生徒は先生や教科書以外からも自由に情報を取得することができます。(今までいかに学校が情報に関して閉鎖的だったのか

 

f:id:rabe0703:20181030211658j:image

 

こうなってくると、先生は自分の役割を考え直します。私もそうでした。今までは大量の知識を効率よく教授することや、一斉授業で分かりやすくて面白い授業をすることが先生の価値だったかもしれません。その大部分はテクノロジーが代替します。

 

これは残念なことではありません。むしろ喜ぶべきことです。なぜなら、先生は本来、生徒に知識を習得させたかったのではないと思います。新しい時代を生き抜く力を身に付けさせたかったのです。

 

この力はテクノロジーだけでは完全に身に付けさせることはできません。人による介入が必要です。知識の習得はテクノロジーに任せて、先生はテクノロジーにはできないことをすればいいのです。

 

オンラインの学習が一般的になっても、先生の役割は重要です。 

www.moshiben.com

 

 まとめ

 

かつての労働モデルでは生産的だった一斉授業の教授法も、今の時代では非生産的です。もちろん、生徒の探究心を刺激する魅力的なものや、基本知識の教授を目的とする一斉授業はなくなりはしませんが、それだけでは子供たちが次の時代を生き抜く力を育成することはできません。

 

教授法や教育観の見直しは何度も議論はなされてきましたが、一度走り出した教育の制度や文化を変えることは長年困難でした。

 

しかし、現在ではテクノロジーが教育現場に導入されたことにより、変革が起きています。子どもたちの学びが変わりつつあります。同時に先生の役割も見直されてきています。

 

子どもには次の時代を生き抜く力を身に付けてもらい、先生は役割を少しだけ変えて、子どもの学びをサポートする併走者になることが求められています。